この時期に重要な身体のトレーニング+αとは?
PHYSIOMED代表の田中紀行です。先日、JARTA(日本アスリートリハビリテーション協会)からの依頼でサポートしている名古屋大学女子ラクロス部のミーティングに参加してきました。
今回、ラクロス部からミィーティングにてトレーナー側から基礎知識の講習をしてほしいとの要望をいただいておりました。
具体的な内容のいくつかをご紹介したいと思います。
・ケガとメンタルの関係性(リーグまでのメンタルの保ち方、焦りとケガの関係)
・家で自分でできるストレッチ・疲れがたまった時におこなうストレッチ
・休養の取り方・疲労とは?
では、項目を簡単に解説していきます。
◆ケガとメンタルの関係性(リーグまでのメンタルの保ち方、焦りとケガの関係)
ケガする時のメンタルとはどういう状態なのでしょうか?よく言われる言葉に、『気の緩み』があります。
気が緩まずに毎日のトレーニングやケアを行っていくモチベーションと言うのは非常に難しいと思う反面、その点をクリアすればチームとしての力はあがります。
具体的な方法として…
1)チームの気持ちを一つにする合言葉を作る(目的や目標)
⇒ラクロス部の場合、【関西撃破】でした。
2)否定語の禁止
⇒できない、足りない、相手が強い
3)同時発火
⇒チームメイト間で興味を持つ、尊敬することでお互いの自己神経報酬群を盛り上げる
これらの点をチーム全体に指導致しました。
◆家で自分でできるストレッチ・疲れがたまった時におこなうストレッチ
ストレッチと言う言葉を一緒くたに考えていませんか?
JARTAでは、大きく分けて3つに整理しています(もちろん重複する部分はあります)。
1)可動域拡大系ストレッチ
⇒常時行うものであり、関節の動きを増大させる
2)リカバリーストレッチ
⇒練習後や試合後の特に身体の固まった状態から解き放つ
3)Tレフストレッチ
⇒身体のポイントを刺激しながら身体の筋肉の働きを促通する。
試合や練習の前や最中に効果的である。
それぞれを理解しているだけでもセルフケアの能力が高くなります。
疲労のメカニズムを整理してみましょう。
疲労が乳酸物質の蓄積でないのは科学雑誌のScienceでも証明されています(Science 20; 1114-1117, 2004)。
流れは、身体への過度の負荷⇒活性酸素の出現・細胞の参加⇒FF(Fatigue Factor)⇒サイトカイン(TGF-β)⇒セロトニンの抑制⇒リラックスできない(交感神経賦活状態)となっています。
基本的な対処方法として以下のものが上げられます。
1)抗酸化作用のあるFR(Fatigue Recover Factor)を増加させる
⇒睡眠や昼寝で増加
⇒食べ物:鳥の胸肉、ささみ、マグロ、カツオ
⇒軽い運動、体操、ジョギング等
2)脳内にセロトニンを増やす
⇒コミュニケーション(ストレス発散)、笑い
⇒セロトニン関連物質 トリプトファン、ビタミンB6 「まごわやさしい」の食生活
3)呼吸
⇒炭酸ガス濃度の調整
⇒鼻呼吸・腹式呼吸
これらを知っておくだけでも疲労の蓄積具合が異なってきます。
【まとめ】
ラクロスを始めとしたチームスポーツは、個人が調子良いだけでは競技として成り立ちません。
この時期にこのような基本的な取り組みができるのは、チームの基礎力になります。
チーム状態を常にベストにできるように各自が意識していただけたらと思います。
合言葉の『関西撃破』を目標に頑張りましょう!!!