『肩甲骨はがし』とはどんな意味?
PHYSIOMED代表の田中紀行です。本日は肩甲骨について考えていきたいと思います。
肩甲骨を自在にコントロールできると、肩こりになりにくいと言われています。逆に、四十肩、五十肩と呼ばれる肩関節周囲炎の代表的な原因に肩甲骨の可動性の低下が挙げられます。
【この理由はなぜでしょうか?】
首がこる、肩がこるなどのメカニズムを少し考えてみますと、仕事や家事などの生活習慣により、筋肉に慢性的に継続的な負担がかかることで、筋肉の緊張が続き、疲労物質が溜まりやすくなり、筋肉が硬くなります。
硬くなった筋肉は、血管を圧迫することで循環を悪くして、首や肩の筋肉にストレスとなり、痛みなどを引き起こし始めます。血行不良が繰り返し起こり、この悪循環が続くことで、慢性的な状態となり、耐え難い痛みとなることがあります。
【特に重要な筋肉は?】
一般的に首こり、肩こりと影響の深い筋肉は、僧帽筋や肩甲挙筋と言われています。
これらの筋肉には、肩甲骨についており、肩甲骨の動きと密接な関係をしています。
肩甲骨周辺には、首や肩だけでなく、腕や背中、また腹部にもつながる多くの筋肉が存在しており、上半身を動かすために多くの筋肉が関連しているといっても過言ではありません。
つまり、肩甲骨の動きがしっかりとコントロールできることは、首こりや肩こりの予防になるだけでなく、人間の機能を維持するうえでもとても重要なポイントであると言えます。
バレエダンサーの場合、舞台で上半身の動きをみせるポールドブラでは、肩甲骨の動きの多様性が芸術的側面を表していると言えます。そのため、肩甲骨の機能性を理解しているということはとても重要なポイントであるとともに、肩甲骨のコントロールをトレーニングする必要があります。『肩甲骨はがし』とは、肩甲骨の可動域を上げるためのストレッチであると言えます。
【肩甲骨が硬くなる生活習慣】
肩甲骨が硬くなり、四十肩、五十肩などの状態になるのは突然のことではないのです。実は日頃の生活習慣の積み重ねが大きな影響を与えているといっても過言ではありません。
あなたの生活習慣はどうでしょうか?
① パソコンやスマートフォンで作業する時間が長い
② 長時間の車の運転をする
③ 猫背等で姿勢が悪い
④ 運動をする習慣が少ない
思い当たる事があれば、あなたの肩甲骨は悲鳴を上げ始めているかもしれません。
【あなたの肩甲骨はしっかりと動きますか?】
チェック①腕を後ろに回し上下で組んだ時に、手は重なりますか?
【肩甲骨のトレーニングのメリット】
肩甲骨の可動性が上がり、自由自在に動かせることへのメリットは沢山あります。
① 肩こりの改善や肩関節障害の予防
② 肩の緊張が出にくくなることで、首の柔軟性が上がり、視野が広くなる
③ 肩甲骨は肋骨の背部に位置するため、姿勢に影響するため、猫背等を改善できる
④ 肩甲骨の可動性が高まり、肋骨の自由度が上がれば、呼吸がしやすくなる
⑤ 呼吸がスムーズになると代謝が高くなる → 体重コントロールがしやすい
考えれば、もっとたくさん関連した要素がありそうですが、肩甲骨の動きは、それだけ身体に及ぼす影響が大きいと言えます。肩甲骨はがしというネーミングも大事ですが、さらに身体に影響を与える意味を理解して、自分が目指す体を手に入れてください。
【肩甲骨に関連する講習会のお知らせ】
① バレエ経験者及びダンサー向け(アテールバレエスタジオ@高円寺)
テーマ:ポールドブラのための上半身の使い方
7月9日(日)10:30~11:30 基礎クラス
7月9日(日)12:00~13:00 応用クラス
下記URLよりお申し込みください
https://www.aterre-balletstudio.com/workshop
② JARTAベーシックセミナー(名古屋市内)
JARTAトレーニング理論、T-レフストレッチ、肩甲骨のトレーニングとして『立甲』を学べます
7月16日(日)10:00~16:00
下記URLよりお申し込みください
http://jarta.jp/j-seminar/course/apply/