【ダンサー向け】疲労・むくみがある時に捻挫を防ぐ足裏のケアのポイント

PHYSIOMED代表の田中紀行です。
ダンサーにとって足首の捻挫は、多く見られる怪我の一つですが、意外に放置されている事が多いです。
本日は、その捻挫について考えたいと思います。

足部の捻挫で最も多いのは、足部を内向きに捻る内反捻挫と言われるものです。
専門的な名称で言うと、前距腓靭帯という場所の損傷が最も多くなります。
詳細な場所は図を参照にしてください。
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では、なぜこの部位の捻挫が多くなるのでしょうか?

ひとつのヒントは足部の内外反機能になります。
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足部は床の状況に合わせて様々な形を作り、安定した動きができるように反応します。そのひとつに足部の内外反があります。

内外反の機能は、距骨下関節が担っているだけでなく、ショパール関節も一部その働きを補助・調整しています。ちょっと細かい話になりますが、ショパール関節は、距舟関節、踵立方関節の二つから構成されています。そのため二つの運動軸を持つことになります。つまり二つの軸が環境に合わせて足部を上手く反応させているということになります。
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という事は、舞台でのリハーサルが多いダンサーにとっては、距骨下関節やショパール関節の動きが安定して得られることが重要となります。

しかし、距骨下脂肪体は土踏まずの後方の踵前面に位置し、歩く際に全体重がかかる部位になります。ダンサーの皆様も経験がある方も多いと思いますが、固い舞台でリハーサルを繰り返す事で踵の部分が痛くなることがあると思います。ほとんどが翌日には回復しますが、繰り返されることにより脂肪体が硬くなり問題が生じます。

ここで捻挫が起こり得るメカニズムを推察したいと思います。

舞台でのリハーサルが続く → 繰り返し距骨下脂肪体に体重がかかる → 衝撃の蓄積により脂肪体が硬くなる → 脂肪体の動きの制限が周囲の関節の動きに影響する → 回内外をつかさどるショパール関節にも影響がでる → ショパール関節の動きが抑制されることにより距骨下関節の動きに負担がかかる → 舞台環境に合わせた細かい足部の調整ができなくなる → 内反捻挫を起こしやすい状態となる

上記のメカニズムを防ぐひとつの方法が距骨下脂肪体のケアになります。
脂肪体のケアをすることにより、足部の衝撃を緩和し、パフォーマンスを維持しやすくなります。
また、足部の可動性を確保し足底の筋肉をしっかり動かせる事は、末梢の循環不全を予防する事にもなります。適切な循環は、筋の疲労を軽減しますので疲労改善をするためにも重要な要素となります。

ダンサーの捻挫予防のみならず、足のむくみや足首の硬さが気になる方も是非とも脂肪体のケアに取り組んでみてください。脂肪体ケアでショパール関節を稼働させましょう。
足は体重を支える場所ですから、適切なケアで大きな怪我の予防をしてくださいね。

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