バレエダンサーに多い膝の悩み
PHYSIOMED代表の田中紀行です。気が付けばもう12月になりましたが、風邪などひかれていませんか?インフルエンザはまだあまり聞かれませんが、胃腸風邪は少し流行っているのでご注意ください。
本日のテーマは、バレエダンサーに多い膝の悩みです。
PHYSIOMEDにてコンディショニング・トレーニング受けて頂くなかでも比較的に多い悩みが、
『膝が伸びない』
『膝が曲がってしまう』
というのがあります。ダンサーの皆様はどのように捉えて見えますか?
一般的に膝を伸ばす筋肉というので思い出されるのは、大腿四頭筋と言われるももの前の筋肉ですね。
大腿四頭筋は、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋の総称で、その中でも大腿直筋は骨盤から股関節と膝関節を跨ぎ脛骨まで繋ぐ、二関節筋(二つの関節を跨ぐ)となっています。
ここに一つの落とし穴があります!
二関節筋という事で、膝を伸ばしたいがために、単純に膝を伸ばす大腿直筋の刺激を入れ続けることは、もう片側の筋肉の付着部である骨盤をひっぱり、前傾させる危険があります。いわゆる反り腰の状態ですね。
反り腰の状態は、腰を痛めるだけでなく股関節が内向きになりやすく、ターンアウトが難しくなり、結果的にアンデダンの状態になります。アンデダンでは内転筋、内側ハムストリングスの働きが不十分となるため、太ももから臀部の外側の筋肉が優位な姿勢となり、しっかりトレーニングしているつもりが、不本意に足が太くなると言う状況に陥ります。
また、大腿直筋を用いた過剰な膝を伸ばすことは、過伸展をまねき、反張膝になる可能性があります。この状態は膝への負担が大きく痛みを引き起こす可能性が高くなり、将来的には変形しやすくなります。
ここまで解説をしたように、大腿四頭筋を用いて膝を伸ばすという方法は、やればやるほどマイナス方向の身体の使い方になるだけでなく、腰痛や膝痛の原因になる可能性があります。
【ではどうすれば良いのでしょう?】
答えは…
股関節の回旋方向のストレッチを行いましょう!!!
膝関節が伸びない、曲がってしまうために大腿直筋を使って膝を伸ばした結果、股関節がアンデダンつまり閉じた状態になり、大腿内側の筋肉を使っての膝をコントロールする力が低下してしまいます。
つまり、膝を上手く伸ばすためには、膝を伸ばしやすい環境を整えてあげる必要があります。特に股関節の回旋をしっかりとできた方がその環境は良いと言えます。それは、回旋方向への動きを向上させアンディオールをし易くすることで、大腿直筋でない大腿内側の膝伸展筋を賦活させてあげる事です。
股関節を回旋方向にストレッチする例です。
床に2番のプリエをするポジションで、腰の部分を反らさないように注意しながら股関節が回旋することを意識して上下の運動をします。ポイントは股関節の捉えです。バレエにとってはとても重要な身体感覚であり、ターンアウト、膝のコントロールに必須になります。
膝を伸ばしやすくなるよう、是非試してください。