膝前十字靭帯断裂で考える事①

PHYSIOMEDの田中紀行です。何故こんなにかかったのか分かりませんが・・・やっと代表のプロフィールを更新致しました。また、ご覧いただけたら幸いです。

本日は、先日の東京出張の時のお話です。

現在、東京のバレエスタジオのダンサーの方々のコンディショニングを行ってきました。

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その中に、つい二週間前に膝の前十字靭帯を断裂した方が見えました。
以下、その時の会話です。

田中:今の状態はいかがですか?

ダンサー:実は二週間前に右の前十字靭帯をやってしまいまして…

田中:少しお膝を見せてください。
(ここで拝見しながら、腫脹や発赤などをチェックしました。幸いにも腫れは少なく前方制動等が全くないわけではありませんでした)

ダンサー:ドクターに見てもらいながら、膝の水を抜いてもらって痛みどめで様子を見てもらってます。
(ここでいう水とは、関節液というものです)

【ひざに水がたまる仕組み】
関節内には通常「関節液(別名:滑液)」と呼ばれる少量の液体が存在しています。無職透明で粘り気があり、関節がスムーズに動くのを助ける潤滑油のような働きをして、関節に滑らかさと弾力性を与えたり、関節の軟骨に栄養を与える働きをしています。様々な原因により滑膜組織に炎症が起こると、滑膜から関節液が過剰に分泌されます。この結果ひざの水(関節液)が多くなり、お皿の上部に水が溜まります。

田中:グランプリエなどはかなりきついんじゃないですか?
(グランプリエとは膝を深くまげて伸ばす動作)

ダンサー:はい。でも昨日も舞台の本番でした。しかも8月中旬まで舞台の仕事が入っていますので手術をするとしてもお盆過ぎしかできないんです。なんとか乗り切るしかありません。

という感じで会話は進んでいきました。

前十字靭帯の役割は、膝関節のほぼ中央にあって、膝関節が外れないように支えている靭帯です。具体的には、すねの骨(脛骨)が太ももの骨(大腿骨)に対して前方にずれたり、捻じれたりするのを防ぐ役割をしています。そのため、それが効かない状態でのステップやジャンプはとても難しいです。

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その状態で、本番を乗り切るには負担が多いというだけでなく、かなりパフォーマンスも落ちてしまいます。

それでも、プロのダンサーとして、舞台にでる必要があるのですね。その意識は、本当に素晴らしいというだけでなく、それがプロフェッショナルであると言えます。トレーナーとしては、このプロフェショナルな意識を最大限尊重しなくてはいけません。

では、サポートするトレーナーとしての立場で何ができるのでしょうか?

膝に対してのサポートとして、テーピングや装具の使用を進めることも必要です。
でも、これだけでは足りないですね。
パフォーマンスも最大限考慮しなくてはいけません。

少し長くなりましたので、その考え方については、次回書きたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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